フロテックアンカー技術研究会

よくある質問

1. 一 般

フロテックアンカー技術研究会とは?

フロテックアンカー技術研究会は、フロボンド(付着型ECFストランド)を用いたグラウンドアンカーシステム「フロテックアンカー」の技術研究およびその普及を目的とし1995年4月に発足致しました。
「フロテックアンカー」は、1995年12月に財団法人土木研究センターにて技術審査証を取得、2000年2月には「フロテックアンカー」を改良した「スーパーフロテックアンカー」の技術審査証を取得、2015年3月には「スーパーフロテックアンカー」の新タイプを追加開発した「スーパーフロテックアンカー【維持管理型】」の技術審査証を取得し、国土防災事業に貢献できるよう活動に取り組んでおります。

「スーパーフロテックアンカー」とは?

「スーパーフロテックアンカー」は、米国 Florida Wire and Cable Company社から技術導入したフロボンド(付着型ECFストランド)を引張り材として用い、専用の付属部品と組み合わせたグラウンドアンカー(地盤工学会基準)システムです。

「スーパーフロテックアンカー」の特長は?

「スーパーフロテックアンカー」は、次のような優れた特長を有しています。
① 使用用途に応じて、再緊張が容易な簡易調整タイプ、荷重調整が容易な荷重調整タイプなど頭部構造を選択できる。
② 耐食性、付着性に優れたフロボンドを引張り材に使用しているのみならず、頭部および頭部背面部、自由長部とアンカー体境界部は水密性に優れた構造になっている。
③ シンプルな構造のため、現場組立と工場組立のどちらも対応可能で、現場組立においても確実かつ品質の高いテンドンの加工が行え、現場での長さ変更に対応できる。

「スーパーフロテックアンカー」の種類は?

「スーパーフロテックアンカー」の頭部構造は、表1のとおり標準タイプ、簡易調整タイプ、荷重調整タイプの3種類があり、再緊張(リフトオフ試験時の残存引張り力の測定など)や荷重調整(アンカー補修・補強時の再緊張・緊張力緩和など)が容易に行え、使用用途に応じて選択します。斜面安定対策などの一般的な用途に採用する場合は、簡易調整タイプを推奨します。
また、アンカーディスクの外周は、表2のとおり標準タイプと荷重調整タイプはネジ加工、簡易調整タイプはくびれ加工(SFL-1はネジ加工)が施されており、これらを利用して再緊張などを行います。荷重調整として再緊張を行う場合は、アンカーディスクの下にシムを挟むか、リングナットを調整してアンカーディスクを浮かせます。一方緊張力緩和を行う場合は、シムを抜くかリングナットを戻します。なお緊張力緩和を行うには、定着時にあらかじめ緩和すべき緊張力に相当する変位量を計算し相当厚のシムを挟むかリングナットを調整してアンカーディスクを浮かせておく必要があります。。

●標準タイプの頭部構造

●簡易調整タイプの頭部構造

●荷重調整タイプの頭部構造


表1:「スーパーフロテックアンカー」の頭部構造の特長
タイプ 特長 再緊張 荷重調整 実績
標準タイプ 多くの実績がある
簡易調整タイプ
(SFL-2~SFL-12)
再緊張が容易で経済性に優れる
荷重調整タイプ ±100mm※の荷重調整が可能
※調整量は、アンカー長や定着荷重などの状況に応じて変更可能
表2:「スーパーフロテックアンカー」の定着具の特長
タイプ アンカーディスクの外周構造 リングナットの調整量 シム
標準タイプ ネジ加工(Mネジ) 10mmまたは20mm 必要に応じて使用する
簡易調整タイプ
(SFL-2~SFL-12)
くびれ加工 必要に応じて使用する
荷重調整タイプ ネジ加工(台形ネジ) 100mm 高さ50mm※
※調整量は、アンカー長や定着荷重などの状況に応じて変更可能

2. 材料

フロボンドとは?

フロボンド(付着型ECFストランド)は、JISで規定されたPC鋼より線に耐食性の極めて優れたエポキシ樹脂をピンホールがない十分な塗膜厚で被覆し、さらにグラウトとの付着性向上のためエポキシ樹脂被覆表面にグリット(けい砂などの不活性粒子)を埋め込んだ土木学会で規定された引張り材です。その防食性能は、耐薬品性試験、塩水噴霧試験などで確認されており、安心してお使い頂ける製品です。

フロボンドの耐用年数は?

「エポキシ樹脂を用いた高機能PC鋼材を使用するプレストレストコンクリート設計施工指針(案)」(平成22年8月、土木学会)によると、エポキシ樹脂を用いた高機能PC鋼材を使用するPC構造物の設計耐用年数は100年とされています。エポキシ樹脂はPC鋼より線の素線間に形成される微小な隙間にも樹脂が充填されるため、これを通じたグラウト時の余剰水や腐食促進因子の移動によるトラブルがなく高い耐久性が期待できることがその理由です。

シムについて

シムは、維持管理用部品です。標準タイプおよび簡易調整タイプは、調整量(高さ)9mmのシムを必要に応じて使用します。自由長が短いなどの要因で、セット量を考慮した緊張荷重が降伏引張り力の90%を超える場合にも使用します(本対応はリングナットでも可能)。荷重調整タイプは、調整量(高さ)50mmのシムを標準スペックとして1組使用します。なお全タイプのシムの調整量(高さ)は、変更可能です。

リングナットについて

リングナットは、維持管理用部品です。標準タイプは、必要に応じて使用します。定着荷重の微調整を行う場合等に使用します。荷重調整タイプは、標準スペックとして使用します。

孔口スペーサーについて

孔口スペーサーは、各ストランドを所定の位置にまたテンドンを孔の中央に配列するための仮設用部品で、必要に応じて使用します。使用の目安は、SFL-5以上です。また使用する場合は、グラウト注入後のグラウト硬化前に設置し、設置位置はジョイント管または鋼管付アンカープレートの鋼管部と干渉しないよう注意してください。

3. 積算

各材料(頭部防食材料、ビニールテープ、結束テープ、補修用塗料)の使用量

カタログを参照ください。

自由長部スペーサーの使用量

自由長部に約2.0mの間隔で配置します。但し、頭部背面から2mの範囲は結束しないでください。これは、頭部背面部の処理における頭部部品の取付け作業を妨げる原因となるからです。

アンカー体長部スペーサーの使用量

アンカー体長部に1.5m以内の間隔で配置します。

結束タイの使用数量

アンカー体長部スペーサー1個につき2本+先端キャップ固定用に1本使用します。

グラウト注入ホースの長さ

アンカー全長(余長込み)以上です。アンカー全長+1.0mを目安にしてください。

4. 設計

フロボンドのヤング係数は?

フロボンドのヤング係数は、出荷時に発行される試験成績表によりますが、設計に用いる値は普通PC鋼より線と同じ200kN/mm²を適用します。フロボンドはエポキシ被覆で覆われていますが、被覆が引張特性に与える影響は極めて小さいことがその理由です。参考文献:「エポキシ樹脂を用いた高機能PC鋼材を使用するプレストレストコンクリート設計施工指針(案)」(平成22年8月、土木学会)。

アンカー体径(削孔径)について

カタログ(PDF3.8MB)または設計・施工マニュアル(PDF:2.6MB)(5-4アンカー体)を参照ください。

角度調整について

補正角度20°以内の場合、角度調整台座(ST台座)の使用を推奨します。20度を超える場合は、テーパープレートとST台座を併用する等別途検討します。

5. 施工

セット量について

「スーパーフロテックアンカー」のセット量は、表1を参照してください。なお、定着時緊張力が表1の数値にない場合は、その前後の数値より比例計算して算出された数値を採用することも可能です。詳細は、設計・施工マニュアル(6-11緊張・定着)を参照ください。

表1:フロボンドのセット量
ストランド一本あたりの定着時緊張力 セット量
Pt ΔS
50kN 6.0mm
75kN 6.5mm
100kN 7.5mm
125kN 8.0mm
150kN以上 8.5mm
荷重調整方法は?

アンカーディスクの外周構造によって手順が異なります。維持管理を参照してください。
なお荷重緩和または除荷を行うには、定着時にあらかじめシムを挟むかリングナットを締めてアンカーディクスを浮かせておく必要があります。特に除荷は、定着荷重の伸び量分の調整量が必要となります。除荷に関しては、シム・リングナットを利用してある程度荷重緩和を行い、「強制除荷システム」を活用する方法もあります。

6. その他

強制除荷システムについて

強制除荷システムの概要を以下に示します。

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